G.ビゼー/『カルメン』組曲第1番


 ジョルジュ・ビゼー(1838年10月25日-1875年6月3日)は後期ロマン派を代表するフランスの作曲家である。父は声楽の教師であり作曲家、母はピアニストである。彼は子供の頃から書物と音楽が好きで、9歳になるとパリ音楽院に入学する。ほとんど全ての科目で優秀な成績をおさめる。その後はオベラ曲の作!曲を始めビアノ曲や交響曲の作曲にも励み、「アルルの女 』組曲や交響曲ハ長調などの名曲を残した。
 オペラくカルメン>の原作者はフランスの作家メリメ、オペラの台本は同じくフランスの台本作家H.メイヤック、Lアレヴィの2人である。初演はビゼーが亡くなるわずか3ヶ月前の3月3日であった。その衝撃的な内容から初演は失敗に終わるが、今日最も多くの人々に親しまれているオペラの1つである。それと同時にこの組曲は曲の美しさから管弦楽のコンサートの小品として人気がある他、ビアノソロや室内楽用にも編曲され広く親しまれている。第1組曲に含まれる6曲は劇などの名曲を残した。中次の場面で使われている。
Ⅰ.前奏曲…第1幕への前奏曲後半
Ⅱ.アラゴネーズ…第4幕への前奏曲
Ⅲ.間奏曲…第3幕への間奏曲
Ⅳ.セギディーリャ…第1幕のカルメンの歌 Ⅴ.アルカラの竜騎兵…第2幕への間奏曲
Ⅵ.トレアドール(闘牛士)…第1幕への前奏曲前半
 オペラくカルメン>のあらすじを紹介する。[第1幕]場所はスペインのセヴィリア。ここには書丘の詰め所と煙草工場がある。伍長ドン・ホセのもとに許嫁ミカエラがホセの母親からの手紙とお小遣いを持って訪ねてくる。煙草工場で働く美しい女工のジプシー娘カルメンに心を奪われかけていたホセは母親とミカエラを思いカルメンを忘れようとする。ミカエラが帰った後、煙草工場で女工同士の喧嘩が起きカルメンが捕らえられるが、護送役に任命されたホセは道中にカルメンの誘惑に負けて彼女を逃がしてしまう。[第2幕]場所は街外れのパスティアの酒場。カルメンはここで働いている。ホセは彼女を逃がした罪で捕らえられていたが許され、彼女に会うためここを訪れる。彼はすっかり彼女に心を奪われていたが、皮肉にも彼女の心は闘牛士エスカミーリョに移っていた。ここに同じく彼女を思う上官スニガが来てホセに帰営を命じるがホセは反抗。これによりホセはカルメンが所属する密輸業者の仲間に加わることになる。[第3幕]場所は山中にある密輸業者の隠れ家。冒頭で仲間の女たちがカードで占いをする。カルメンが占いをすると不吉な占いが出て結末を暗示する。カルメンに会うためエスがーリョがやってきて密輸の見張りをするホセと決闘するが、そこにホセを探して来たミカエラが姿を残す。カルメンの心を繋ぎとめたいホセは思い直すように勧めるミカエラを無視するが、彼の母の危篤を告げられ下山することになる。[第4幕]場所はセヴィリアの闘牛場の前。カルメンはエスカミーリョを見送る。彼女の友人たちはホセを見つけカルメンに忠告する。カルメンが1人になるとそこにホセが現れ復縁を求めるが彼女は拒絶する。彼女のために全てを犠牲にした上にその彼女まで失ったホセは短刀を取り出しもみ合ううちに彼女を刺し殺してしまう。